沖縄旅行 二日目

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二日目

 ホテルのバイキングで朝食。混んでいる時間だったので、少し待ち時間があった。ベンチ状のソファに横に並んで順番を待つ。
 目の前の壁がくり抜いてあり、色鮮やかな、大型のガラス工芸作品が展示してあった。座ると作品が目の前に来るようになっている。設計段階からよく考えていないとこういう作りには出来ないと思う。
 琉球ガラス村というところで作られた作品らしい。旅行の前にGoogleマップ上にポイントしておいた、行きたいところリストに入っている。明日行ってみることにする。

 今日は美ら海水族館などの観光名所がある、沖縄県中部に向かう。一度高速に乗ってしまえば運転は快適だった。みんな、結構飛ばす。
 路肩に様々な南国の植物と花が咲き乱れていた。冬でも花が見られるのはうらやましい北海道民

 沖縄の建物は、独特だった。屋根の瓦は赤い丸瓦。台風で飛ばされないように、ということなのだろう。北海道とはまた違う苦労があることがよくわかる(雪のため、北海道の住宅に瓦屋根はない)。

 太陽光発電ソーラーパネルがほぼ平置きできるのも、雪の心配が要らない(風の心配が要る)からだろう。
 近代的な住宅も、全体的にゴツくて、コンクリート作りの直線的なデザインだ。格子状に穴の空いたベランダの柵も角ばっていて、いかにも丈夫そうだ。
 住宅の上に付いている四角い囲いはなんだろう、と旅行中ずっと気になっていて、帰ってきてから調べると、中身は貯水タンクなのだそうだ。昔は結構水不足になることが多かったらしい。
 道沿いの自然から人工物まで、視界に入るすべてのものが全力で沖縄を主張していた。

 今日の気温はTシャツ+長袖シャツ一枚で快適なぐらい。でも、地元の人は結構厚着をしている。
 水中から海の魚を見られるらしい、ブセナ海中公園というところに寄ってみた。県内の距離感覚がいまいちわからなかったが、やはり近い。一時間程度であっさり着いた。

 もっとこぢんまりしたスポットかと思っていたら、立派なリゾートという感じの場所だった。すぐそばに海が見えたので行ってみる。

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 当たり前だが海の色が明らかにオホーツク海と違う。 浜辺にサンゴがびっしりと埋め尽くされていた。死んだサンゴは白くなる。このコバルトブルーの海は、白いサンゴが空の青を反射しているためらしい。

 ブセナリゾートの先端にある海中展望塔に向けて、歩いて行く。天気はいまいちだったのだが、ここに来てから晴れてきた。路肩に咲いているハイビスカスがいかにも南国。

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 行く方向を微妙に間違えたらしく、万国津梁館という建物の前に着いた。一見行き止まりに見えたので、建物の前にいた職員さんに海中展望塔への道を聞く。この建物は二〇〇〇年の沖縄サミットで使われたものなのだそうだ。近くには小渕元総理の銅像があったが、あまり興味がないのでスルー。


f:id:MIZ:20180123104228j:plain 職員さんに教えてもらった小径と階段を抜けると、眼下に海が広がり、その先に海中展望塔が見えた。

 リゾートの突端にある海中展望塔には、細い橋を渡っていく。
身を乗り出して海中を見ると、海面すれすれに「ダツ」という立ったまま泳ぐ魚がたくさんいた。
 展望塔の中には、普通の建物で言うと二階分ぐらいの地下への階段がある。降りた先はごく小さな回廊状になっていて、円形の窓から海中を見ることができた。
 魚は餌付けされているためか、かなり近くに寄ってくる。

 特にこの青色の大きな魚は回廊の外部を旋回するように動き回っているため、窓を見ているとよく顔を合わせることになった。

 海中展望塔のすぐそばから運航されている、グラスボートにも乗ってみた。船底の一部が透明で、海底が見える観光ボート。色とりどりの魚、イソギンチャク、ヒトデ、ナマコ、サンゴ。
 少し沖で停止したグラスボートから、乗船場で売っていた魚の餌を船外に撒くと、大量の魚が寄ってきた。

 やがて次のスポットに船は動き出す。
「次の場所でも餌がもらえることを知っているので、魚は付いて来まーす」
 船底を見ると、船内アナウンスのおねえさんが言った通り、たくさんの大きな魚がぴったりと船に寄り添っている。

 次のスポットで餌をやり終わり、船着き場方向に戻る。
「魚はもう餌がもらえないことがわかっているので付いて来ませんー」
 身を乗り出して船底を見ると、確かにあれだけたくさんいた大きな魚がまったくいなくなっている。よくわかっているのだなあ、とその現金さに感心してしまう。
 大きな魚がいなくなって海底がよく見えるようになった。イソギンチャクの触手の中に、映画ファインディング・ニモで有名なカクレクマノミが見えた。

 海中展望塔とグラスボートのセットで二千円ちょっと。少し高いが、気軽に海底を見られるのは楽しかった。行きに乗りそこねたオープン型の小型周遊バスで、駐車場までのろのろと帰る。

 次はどこに行こう。沖縄に行くのを決めたのは両親なのだが、実際どこに行くかは完全に任せられている。

 十キロほど先に古民家を改造した食事処があったので、そこで昼食を取った。もう一度沖縄そばを食べてみたが、昨日食べたものとそれほど印象は変わらなかった。

 食事後、母親が桜を見たがっていたので、近くにある桜の名所である世界遺産今帰仁城(なきじんぐすく)へ向かった。ふりがながないと逆立ちしても読めない。まあ北海道も人のことは言えないけど。

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 いくら沖縄とはいえ流石に少し時期が早く、桜は四分咲き程度だった。それでもこの時期に桜が見られること自体、やっぱりすごいと思う。

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 梅にウグイス、桜にメジロ

 次は美ら海水族館などがある海洋博公園に向かうが、その前に少し寄り道して備瀬のフクギ並木というところに行ってみた。

 事前に写真を見た感じで、単なる一本の並木道を想像していたのだが、実際には碁盤の目状に独特の風情のある並木道が続いていた。路地にはのんびりと猫が歩いていて、並木から視線を横に移すと(沖縄式の)普通の住宅が見える。
 日常の中にある風景、という感じの名所で、とても良い。時間があればずっと居たかった。

 すぐそばの海洋博公園に車を停め、美ら海水族館へ。

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 やっぱりこの大水槽は圧巻だ。

 帰りは、道沿いのステーキハウスに入った。沖縄では結構な数を展開しているチェーン店らしい。出てきたステーキは大味で、ほどほどの美味しさだった。こういうアメリカンな感じの大雑把な味を求めて入ったので、これでいいのだ。

 那覇市内のホテルに戻り、就寝。